左から取締役 佐藤 明夏さん、専務取締役 松田 光さん、代表取締役 佐藤 有子さん、常務取締役 窪 旭さん
Q. 会社の成り立ちを教えてください
主人は東京に生まれ、サラリーマンでフランクフルトに駐在しており、私も主人と結婚してすぐにフランクフルトに行きました。子供たちもフランクフルトで生まれたのですが、日本の田舎で育てたいという夫の意向で、私の実家のある徳島に帰りました。
最初はキノコの培養をしていましたが、近所に鶏をひよこから育てている方がいて、動物に納豆菌がとても良いがすごく高いので、安くできないかという依頼がありました。クリーンルームやクリーンベンチ等の設備もあったので、試行錯誤しながら開発しました。ひよこを仕入れても仕入れても全滅するという話があり、弊社の納豆菌を最初に試してもらいました。ひよこが元気に育ち、骨格のしっかりした良い状態の便もでて、健康に育ちました。とてもいい方向に行ったので、鶏用の納豆菌からのスタートです。できあがった納豆菌を分析してもらったところ、納豆菌の数が市販のものよりも多いとのことでした。
次は近所の山でチワワとミニチュアダックスフントをブリーディングしているおじいさんに、体調が良くないからこれ以上出産できない犬も含めて5,60匹預かってほしいと頼まれました。それを受け犬の運動場を作って、納豆菌を餌にかけて食べさせたら、老犬が交配を始め妊娠、ブリーディングには無理な極小チワワが出産するようになりました。
レース鳩にも使っていましたが、風邪もひかず、適正便でレースの成績もすごく良いと言われました。「鳩が食べて良いのだから」と食べている人がいると聞き、管理方法が異なるため動物用の商品はやめて、人間用の商品一本にしました。
この商品は発明!作ったときに主人は「ノーベル賞ものだよ」と言っていました。(笑)
Q. 社長の好きな言葉はありますか
好きな言葉はありがとう。「Thank you」 と「Sorry」は世界中で通用すると思いますね。真摯な態度とマナーを大切にしています。
Q. 社長の趣味などはありますか
ボイトレを始めました。コロナ禍で趣味が増えましたね。先日はドイツ語でクラシックを始め、カンツォーネも歌いました。今はシャンソンに挑戦中です。孫を連れて。陶芸も始めました。それからアフリカの太鼓・ジャンベも仲間たちと舞台で叩いたり、楽しんでいますね。犬のゴンちゃんも飼い始めました!
Q. 大切にしていることや理念を教えてください
人間は健康が一番。健康があるからこそ、楽しみもあると思うんですね。だから、健康は何よりも大切だと思っています。
健康に良いはすやの粉なっとうを製造するにあたり、安心・安全が大切です。機能性の高い安定した商品の供給を継続していきたいです。
また、すごく田舎なので、お母さん方の働ける会社が少ないんです。お母さん方が働きやすい場所を作りたいと、日々思っております。一緒に勝浦町から全国に商品をお届けしながら、地域貢献ができれば幸せです。
Q. 社長になったきっかけを教えてください
夫が亡くなったので引き継ぎました。それまでは夫が作って、私は販売担当でした。最初に徳島県物産協会主催のデパートでの四国物産展に出展をさせていただきました。今では、いろいろなデパートの物産展にお声をかけていただいています。新型コロナ前は台湾、香港、シンガポール、クアラルンプール、ロサンゼルス等にも定期的に行っていました。昨年から少しずつ再開しています。
Q. 仕事でどういったことに気を使っていますか
販売時には、商品説明をきちんとすることにしています。まず試していただいてからのスタートなので、私はいつも「人生で一番いい買い物になりますよ」っておすすめしています。
Only one in the world
現地のプロモーターさんにも、いい商品なので自信をもって売るようにお願いしています。その人のためになる商品だねと。実際そういうマインドで売っていると、頑張れます。私たちが売上!売上!ということよりも、人々を健康にするために買っていただくのがこの商品です。売上はあとからついて来ますからね。
Q. 取り扱っている商品について教えてください
はすやの粉なっとうが弊社の主力商品ですね。弊社は納豆菌・乳酸菌の複合培養でGABAが多いという製法特許を持っています。O157の食中毒のとき等にも使われる納豆菌を軸にしていて、桑の葉をブレンドした抹茶タイプ、より食べやすい味付けをしたスープやふりかけもあります。
そして5つの乳酸菌をもっている粉ヨーグルトも根付いています。各乳酸菌は一個体ずつ特徴をもっているのですが、それぞれ5つの乳酸菌が働く、はすやの粉なっとうと一緒に食べると乳酸菌を腸まで運んで増やします。最終的にははすやの粉なっとうもプレバイオティクスという善玉菌のエサになるので、善玉菌を増やすことができます。乳酸菌と納豆菌が腸内フローラのバランスをよくします。
他に甘酒のプロテインも販売しています。納豆菌とはまた別の軸で菌をたくさん取れるので、乳酸菌の商品と麴菌の商品の有益菌となります。
このような菌にまつわる商品を増やしています。主軸がはすやの粉なっとう、粉ヨーグルト。そして甘酒プロテインです。
Q. 今回受賞したはすやの粉なっとうについて教えてください
はすやの粉なっとうは納豆の進化だと思っていて、機能性の高い納豆商品です。納豆が体にいいのはみんなが知っていますが、ニオイやねばねば、賞味期限の短かさなど、苦手とする方もいらっしゃいます。
日本古来の健康食品・納豆をさらに食べやすくしたものだと考えています。パウダーだと食べられる方も多いことや、保存性や機能性という観点からも、納豆の進化形と言えると思います。1回分2gで9キロカロリー、小さじ1杯で約10パック分の納豆菌が一度に取れて、胃酸に強いのが売りですね!みんなに食べてもらって、みんなが元気で人生を楽めたらうれしいです。
はすやの粉なっとうは大豆と納豆だけを使用した完全無添加の商品で、納豆と納豆菌の両方を持っています。みなさんの知っている納豆は「花」の状態ですが、熱に弱くて胃酸で死んでしまう、賞味期限が短いという欠点があります。弊社の商品は納豆菌芽胞という納豆菌の「たね」の状態で生きているので、その欠点を取り除くことができます。
意外と即効性があるので、食べていただくとトイレに行かれた際に実感しやすいです。物産展の期間中に購入した方や、試食してくださった方が最終日に購入するために足を運んでくれることもよくあります。もちろん調子が悪い時だけ食べてもいいのですが、食べ続けていただけると、予防医学の視点からおすすめです。
腸がきれいになると血液がきれいになります。血液がきれいになると栄養と酸素が潤沢に体の隅々まで送ることができるので、お肌はもちろん脳細胞も、記憶力やボケ防止にもいいというレポートもあったりします。血栓を溶かすナットウキナーゼは脳梗塞等の予防に有名です。カルシウムは食べても吸収しにくいのですが、吸収力を高めるという報告もあります。食べ続けると健やかな老人に!パックの納豆よりも強い菌がたくさん摂れて、どのお料理にも手軽にかけていただけます。大豆ペプチドやグルタミン酸等、意外とうまみ成分もあるので、おいしくなります。
Q. はすやの粉なっとうを作るにあたり、苦労した点はありますか
いかにたくさんの納豆菌を生き残らせられるかが課題でした。他の会社からも出ていますが、はすやの粉なっとうは製法がかなり違います。納豆菌が子孫を残そうとする状況の中でたくさんの納豆菌の「たね」を残せるような環境を作るのが、一番苦労した点であり頑張ったところだと思いますね。ナットウキナーゼを発見した須見教授にもご指導をいただきました。出来た当初はマスコミで話題になりました。
Q. どんな人にどんなシーンで食べてほしいですか
赤ちゃんからお年寄りまで幅広い世代に食べていただきたいです。
赤ちゃんや妊婦さんなど薬を飲ませたくない人がお腹を壊したり、体調崩したりしたときに食べてもらいたいです。便秘や下痢のときは安心でおすすめです。
今、納豆菌以外の商品も販売しています。
私たちの提唱する免疫をあげるために食べてほしいものが4つあります。納豆菌・乳酸菌・食物繊維・オリゴ糖の4つを「はすやの菌活スクエア」と呼んでいるのですが、これらを取っていただくとすごく腸内がいい環境に持っていけるんです。やっぱり納豆菌だけでも、乳酸菌だけでも心細い。バナナなどに含まれるオリゴ糖は納豆菌の餌になります。弊社のはすやの粉なっとうと粉ヨーグルトを一緒に食べると、粉ヨーグルトのほうに乳酸菌と食物繊維とオリゴ糖が入っているので、納豆菌と合わさることによって相乗効果をもたらします。腸内フローラは全員違うとよく言いますが、そこをいかに一人ひとりにあった腸内環境、腸内フローラにしていくか、是非継続して食べていただくことで意識してほしいです。
Q. ジャパン・フード・セレクションにエントリーをしたきっかけは何ですか
フードアナリストの方が、弊社の商品を推薦してくださってエントリーしました。
自分の食べているものが受賞したら、うれしく思ってくれる人もいらっしゃると思うので、食べている人たちにも喜んでもらえたらいいなと思いました。
Q. ジャパン・フード・セレクションでグランプリを受賞し、反響はありましたか
地元徳島新聞の経済面に、徳島県初ジャパン・フード・セレクション グランプリ受賞と掲載されました。
Q. これからの会社の展望を教えてください
新型コロナも落ち着き、昨年から海外にも行けるようになりましたので、一人でも多くの方の健康生活のお手伝いができればいいなと思います。
今まで食べてくださった方々が国内外で支えてくれていて、とても励みになっています。スタッフも一生懸命頑張ってくれているので、このまま真摯に安定した商品を作り、はすやの菌活食で世界の人々を元気にできたらいいですね。元気があったらなんでもできる!
第82回 ジャパンフードセレクション グランプリ受賞商品
はすやの粉なっとう
四国阿波はすや
1990年1月設立。自然豊かな徳島県勝浦郡勝浦町で、人々の腸内環境を整える商品の提供に努めている企業。創業当時の社長の想いを受け継ぎ、妻・有子さんとその娘である「なっとう三姉妹」が生産・販売の中心となっている。
当初、菌床しいたけを栽培していた時期に「菌」の研究を重ね、その技術や設備を応用することで、独自製法の「はすやの粉なっとう」を開発。「はすやの粉なっとう」は多数メディアにも掲載されるなど、注目を集めている。
納豆菌に秘められている力をおいしく手軽に楽しめるようにお届けし、世界中の健康を支えていくことを目指している。また、地域貢献を念頭にお母さん方が働きやすい環境や場所を提供することにも尽力している。
https://www.has710.com/